86年前、日本統治時代の台湾で増水した川に取り残された子どもらを助けようとして犠牲になった愛媛県伊予市中山町出身の教員故山岡栄さん(1902~30年)を後世に伝えようと、中山史談会(井手窪理会長)会員ら地元住民がこのほど、同市中山町出渕の盛景寺に山岡さんの生涯を紹介する石碑を建立した。
 同会や町誌によると、出渕出身の山岡さんは伊予実業学校(現伊予農業高校)を卒業。青年団長などを経て30年1月、台湾・台中市の東勢農林国民学校(現新社高級中学)に教員として赴任した。
 30年5月、豪雨で橋が流された中州に数人の子どもと保護者らが取り残され、助けようと川に飛び込んだ山岡さんは濁流にのまれて亡くなった。子どもらは全員助かった。30年11月に現地に、35年3月には盛景寺に殉職記念碑が建てられた。